PRJ02. Development of AI technologies towards human-AI coexistence in biodiversity monitoring / 人間とAIの協働による生物多様性モニタリングに向けたAI要素技術の開発

Photo by Haga

私の出身の阪大工学研究科の地球循環共生工学領域の合言葉「contribute to the United Nations SDGs achievement by developing engineering technologies」のノリが色濃く出ているのがこの研究テーマ群です。主に以下の内容に取り組んでいます。

深層学習技術を用いた鳴き声による生物種判別機の開発

聞こえない・見えない生物を認識できるようにするため、深層学習技術により日本のコウモリ30種・鳥類66種の鳴き声を判別する識別器を開発したほか、Cornel大学が開発した大規模鳥類モデルを転移学習して鳥類・昆虫類・両生類など複数の分類群の生物を同時に識別するモデルを開発し高い評価を得ました。この研究は環境音調査・大規模音響データの解析技術の習得、生物音響調査に携わる若手研究者間のネットワーク形成につながりました。

最近では阪大の生物多様性モニタリングのために、録音機を設置して連続観測にも挑戦しています。

UAVを用いた森林資源モニタリング技術の開発

現在の森林資源の現存量は実はよくわかっていません。そこで、ドローンで計測した3次元点群データから、機械学習技術で森林属性情報を取得・識別するための技術開発を行っています。民間企業や研究機関と技術連携しつつ、福島県などを対象に研究開発しています。

AI要素技術の実装支援

2010年代から現在にかけて様々な画像識別技術の応用をしてきましたが、やはり個別のラボでは大資本には勝てないなあということを痛感させられました (Cornel大のBirdNETとかGoogleのPerchとかMicrosoftのSPARROWとか)。とはいえまだまだAIの要素技術と人間が協働して保全を行う世界にはまだ辿り着いていません。最近は大資本は手を出さないニッチなテーマだけど重要な技術の開発をしたり、開発した技術を身近な自然環境に持ち込んで試行錯誤しています。

その他

自然言語処理技術を地理空間情報分析に応用したり、聴覚情報の可視化技術を開発したり、といった研究も行っています。ネタが溜まってきたら、こちらのページに追加していきます。

Haga, Chihiro
Haga, Chihiro
Specially Appointed Assistant Professor

Haga, Chihiro is an landscape ecologist conducting a scenario analysis of nexuses between biodiversity and ecosystem services at a local scale. His research experiences include the application of the process-based forest landscape simulator for social-ecological systems modeling.